花蒼枯 はなそうこ

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【第5話】大型の乾燥機!?大きな植物 乾かし隊!後編【はなそうこくん】

 

前書き

アキタ

こんにちは。
謳花のアキタです。
前回のおさらい…ドライフラワー用の花材探しで見つけた大型のアロカシア スティングレイ。
豊住曲硝子工業さんのご協力もと、曲げガラスの窯を使ってアロカシのドライフラワー化に挑戦しました!
今回はその後編です。さて、結果は…?!

 

 


10月26日

 

豊住くんのところで数日、乾燥をしてもらった後、引き上げてきました。
やはり、葉は乾燥していますが、茎はまだまだ瑞々しい。このあとは、こちらで保管しながら、自然乾燥を試みます。

 

 


【11月26日】

釜での乾燥から、一ヶ月が経過しました。
経過観察を続けてきましたが、ほんの少しずつ萎んでいき、現在の様子がこちら

茎はかなり細くなり、指の三分の一程度になりました。
柔軟性があり、曲げても折れません。
むしろ、丈夫なツタのように引っ張っても切れません。写真でもわかる通り、スジがしっかりと残っていますね。

ドライフラワーは水分が抜ける過程で固くなっていくのが一般的ですが、この丈夫なスジは水分量が多かったのと何か関係があるのでしょうか。
水分量が少ない枝ものをドライフラワーにするとポキっと折れてしまうことが多いので、茎に水分量が多い植物ほど、水分が抜ける過程でスジのような繊維が残るのかもしれません。

(次回は茎に水分量が多い植物で実験したら良いかも…)

さて、このカラカラになったアロカシア。

どのように使おうか…。

 


【12月20日】

だいぶ期間が空いてしましましたが、アロカシアの活用法を思案しつつ、実験してみました。
葉がかなり脆く、オアシスを使ったアレンジメント作品に取り入れるのはなかなか難易度が高いことがわかりました。

ここはオーソドックスに、ブーケに織り交ぜてみよう!
ということで、つくってみました。

また、丈夫な茎は切るのがもったいないのでそのままにしました。
全体を見ると、茎は根のようにも見えます。

絡ませたり、上部にあげて花のアレンジの動きに混ぜてみたり…葉より茎のアレンジに活用の道がありそうです。
リボンのようにブーケの縛りヒモとしても使ったらナチュラルで面白いかもしれません。

花同士の間に混ぜ込むと擦れて割れてしまいましたので、ブーケの周りを囲うように(ラッピングのように)輪郭に沿わせてみました。
葉脈がきれいなので、影に透かすと浮き出るのがなんとも味わい深いです。

また、丈夫な茎は切るのがもったいないのでそのままにしました。
全体を見ると、茎は根のようにも見えます。絡ませたり、上部にあげて花のアレンジの動きに混ぜてみたり…

葉より茎のアレンジに活用の道がありそうです。
リボンのようにブーケの縛りヒモとしても使ったらナチュラルで面白いかもしれません。

光の透ける具合がキレイなので、色落ちしたトーンの花材と混ぜ合わせて、渋めのテイストで置き型のブーケのイメージにも合う花材です。

 


【まとめ】

今回は、大きな植物 乾かし隊!ということで挑戦してみましたが、やはり、ドライは奥深い。そして、難しい!と感じました。
「これくらいの具合なら自然乾燥でいけそうだな」とか、「乾燥機に入れて風合いは残してドライにしよう」など…ドライフラワーのことをわかっていたつもり、でいました。

まだまだ勉強不足を痛感。

もう一つ、今回の挑戦で改めて感じたことがあります。
ドライフラワーはいつまで飾れますか。というようなことを聞かれる事があります。

こう聞かれたときにどのように回答しようかといつも迷うのですが、「飾りたいと思っているうちはずっと飾れます」と答えるようにしています。
ドライフラワーには旬な時期があるわけではなく、見ごろが明確にあるわけではありません。
ただし、永遠に同じ形や色を保っているわけでもありませんので、少しづつ退色し、形が変化していきます。

今日よりも明日、明日よりも来週、来年にその変化が重なって深みが増していく、という意味で、経年の劣化というよりは、経年の深化と捉えてもらいたいという想いがあります。
その見定めの基準は各々異なっていて当然なので、明確にいつまでと決められるものではない…というようなことを柔らかい表現にした結果がこの回答かなと思っています。

今回乾かしたアロカシアも、当初の生だった色や形とはかけ離れたドライの風合いとなりましたし、完全乾燥まで2か月近くを要しました。
その過程で、これはドライにならないのでは?と思ったり、乾いたとしても、さすがに使えないのでは?と何度も思いました。
ですが、最終的にブーケに織り交ぜた時にラッピングのように活かすと葉脈がキレイに浮きたっている様や、茎を使って独特な雰囲気を出せたり、丈夫な利点を生かして結び紐にも活用できそうなどと、時間経過後だからこその利点が出てきました。

まさしく経年の深化があってこそなのだと思います。

懲りずに大型の植物を見つけたら、また挑戦していこうと思います。

今回はここまで。

また次回お会いしましょう。

 


調査員

謳花/装花士 アキタ

 

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